スペイン語は、日本人にとって発音しやすい言語と言われています。その理由は、母音の数が日本語と同じく5つであること、子音だけ発音する場合がほとんどない、という理由が挙げられます。
だからと言って、問題がないわけではありません。日本人が苦手とする発音があります。それが、「巻き舌」の発音。英語のRの発音で苦しんだ皆さん、スペイン語の巻き舌の方が大変です!
かくいう私も、巻き舌発音に未だ苦しむ一人。発音できる日もあれば、できない日もあり、スペイン人彼からは日本語で「ダメダメだね〜」とダメ出しされる始末。悔しいので、巻き舌発音をマスターすべく、克服方法をまとめてみました。一緒にマスターしましょう!
r、rr、lの発音を区別する
日本人の問題である巻き舌が必要となる発音は「r」と「rr」の時に登場します。rが語頭に来るのか、真ん中に来るのか、連続になるのか、で発音が変わってきます。
rが語中に来る場合 = 日本語のrの発音に近いです。
単語例; oscuro(暗い)、suerte(幸運)、pero(接続詞・でも)
rが語党頭に来る場合 = 巻き舌になります。舌先を震わせて、巻き舌で発音します。
単語例; raro(おかしい)、rata(ネズミ)、recibir(受け取る)
rrの場合(rが連続する場合) = 強い巻き舌で発音します。語頭に来ることはありません。
単語例; perro(犬)、torre(塔)
難しいですねー。同じく日本語の「ラリルレロ行」を表す「l」もまた、「r」とは発音方法が違います。「l」の場合、舌先を歯茎の裏につけて発音します。
うーん。文字だけだとわかりにくいかもしれません。実際にどんな発音なのか、どのように発音し分ければいいのかは、「聞くスペイン語」の動画「LとRの発音」をチェックしてみてください。
巻き舌の練習方法
スペイン語やイタリア語で使われる巻き舌発音ですが、日本語にはない発音なので、苦手とする日本人が多いです。しかし人によっては、特段何もしなくても巻き舌ができるようになる人もいます。一方、先天的に舌が短くて巻き舌ができない人もいるようです。
ここでは、巻き舌を難なくできず、しかし舌が短くて巻き舌ができないわけではない=努力次第では巻き舌をマスターできるはず!という私と、仲間の皆さんに適した克服方法を調べてみました。
巻き舌の発音をできるようにするためには、やはり練習がものを言います。練習の上で巻き舌を習得した方は、言語学者黒田龍之助先生が開発した方法を用いて、巻き舌をマスターしたようです。その方法は下記の通り。
ここで、調べていくうちに、ある本に書いてあった一つの巻き舌練習法が私の目にとまりました。黒田龍之介という言語学の先生の「はじめての言語学」(講談社)という本に書いてあった練習法なのですが、それはこのようなものでした。
pru, pra, pru, pra, …
tru, tra, tru, tra, …
ara, oro, ara, oro, …
arrrr…
という順で練習する、というものです。(ここの「r」の音は、はじめは日本語のラ行の音で大丈夫です。) 参照;巻き舌クリニック
ちなみに黒田先生の著書はこちらです。
rを使った言葉をできるだけたくさん、早く発音していく、というのがミソみたいです。たくさん発音していくうちに、舌が発音に慣れていくのでしょう。1日10分間、巻き舌発音の練習の時間を設けてみて、試してみましょう!
一つ、スペイン人彼から提案された想定外の練習法があります。
彼「ヤクザになればいいんじゃないの?」
私「!!!?!?!」
というのも、この巻き舌の発音は、ヤクザのべらんめえ口調の音とほとんど同じなのです。「このやロう」や、「おラア」と言ったように、カタカタで記したラ行の部分を舌を巻いて発音しますよね。
日本人として巻き舌を発音する素地があることは確かなことは確かなようです。
女子としては、べらんめえ口調で話すのはちょっと憚れますが、ヤクザ映画を見て巻き舌を練習するっていうのもアリかもしれません!
一緒に頑張りましょう! Buena suerte!