スペイン旅行ガイド、今回はスペイン人の間では避暑地として親しまれているアストゥリアス地方について紹介します。アストゥリアス地方は、スペインの北部に位置し、夏でも平均気温が18度と過ごしやすいのが特徴。また、ビスケー湾に面する海岸線と、険しい山地が美しい自然を織りなしています。
アストゥリアス地方の州都は人口20万人を有するオビエド県ですが、今回はオビエド県からバスで約3時間のところに位置するカンガス・デ・オニスを拠点に、雄大な自然を楽しんできました。
あまり日本では馴染みのない観光地ではありますが、スペイン人気観光地のカタルーニャ地方やアンダルシア地方とはまた違った魅力を持つアストゥリアス地方について紹介していきます。
カンガス・デ・オニス(Cangas de onis)
カンガス・デ・オニスは、Picos de Europa(ピコス・デ・エウロパ連山)自然公園から17キロに位置する、アストゥリアス地方の雄大な自然を満喫する旅の拠点となる町です。周辺には小さな町もありますが、宿泊施設数が圧倒的に少ないので、カンガス・デ・オニスを拠点に移動するのが便利です。
カンガス・デ・オニス自体、こじんまりとしていますが、見所もあります。ローマ橋です。橋自体は、ローマ時代に架けられたと言われていますが、現存しているのは、14世紀にカスティーリャ国王アルフォンソ11世時代に架けられたものです。
橋の中央に十字架が架けられており、幻想的な雰囲気を醸し出しています。また、世界の魅力的な橋のひとつとしても認知されています。
【参考記事】
NAVERまとめ : 自分の足で踏みしめたい!世界の渡るべき魅力的で素敵な橋。
笑うメディア CURAZY : 一生に一度は渡っておきたい!世界の美しい橋21選
コバドンガ(Covadonga)
コバドンガは、カンガス・デ・オニスから、バスで30分のところに位置しています。722年、初めてイスラム軍を破ったコバドンガの戦いが起こったことから、レコンキスタ(国土回復運動)の発祥地とされています。
コバドンガには、歴史的にも、そして自然的にも見所が沢山あります。
コバドンガ聖なる洞窟(Santa Cueva de Covadonga)
コバドンガの戦いの勝利を祝して、アルフォンソ1世治世時代に作られました。写真に写っている洞窟の中に礼拝堂があり、その中には、聖マリアが祀られています。多くのスペイン人がこちらに礼拝に訪れていました。
サンタ・マリア・ラ・レアル・デ・コバドンガ教会(Basilica de Santa Maria la Real de Covadonga)
ピンク色の大理石で出来ており、何とも可愛らしい教会。それもそのはず、この教会は1877年から1901年にかけてネオ・ロマネスク様式(11−12世紀のロマネスク様を取り入れて進化させた様式)で再建築された、教会の中ではかなり新しい教会です。
コバドンガ湖(Lake Covadonga)
桃源郷に降り立ったのかと勘違いしてしまいそうになるこの絶景を見られるのは、コバドンガ湖です。青空に、肥沃な大地に茂る緑。牛がのんびりと歩き回るという、何とも牧歌的な風景が広がります。
コバドンガ湖は、コバドンガの町の中心地から、バスで更に20分ほどのところに位置しています。山の上にあるので、途中、傾斜のある道を登っていきます。道路も狭いので、公式では夏の期間中は、ALSAのバスしか通行できないことになっています。(でも、何故か駐車場には何台か一般乗用車が乗り入れていましたが・・・)
コバドンガの湖は、自然公園の一帯となっており、ハイキングを楽しむことができます。ルートはいくつかありますが、いずれも1時間から2時間程度のものなので、気軽に楽しめるはず。
レストランや売店は無いに等しいので、飲み物や食べ物を持参した方が無難です。コバドンガ湖の美しい風景は、レストランでは買えない価値があります。
ちょっと遠出してハイキング La Ruta del Cares
Picos de Europa(ピコス・デ・エウロパ連山)自然公園には、切り立った岩の中を歩くことができるハイキングルートがあります。La Ruta del Caresと呼ばれるハイキングルートは、アストゥリアス地方にあるポンセボス(Poncebos)からレオン地方のカイン(Cain)を結ぶ12キロの道のりです。
私たちも歩いてみましたが、休憩時間を含めて片道約4時間かかりました。12キロというとかなり長距離に感じますが、切り立った岩や、洞窟の中を歩くので、飽きずに歩くことができます。
カンガス・デ・オニスから、どちらの町へもALSAからバスが出ています。ハイキングに行く際は、ポンセボスもカインのどちらも非常に小さい町ですので、やはり、出来るだけ水や食料を持参することを推奨します!
アストゥリアス地方名物!シードル、チーズそしてCachopo
アストゥリアス地方にも、例にもれず、美味しい特産品が沢山あります。
りんご酒 シードル(Sidra)
アストゥリアス地方は、りんご酒シードルの本場です。このシードルを試すなら、是非 Sidrería(シデリア/バーのこと)に行ってみてください!何故なら、シードルのパフォーマンスを見ることができるからです。
シードルは、空気を入れるとまろやかになるため、出来るだけ高い位置から注ぎ入れます。そして、出来た泡立ちが消えないうちに一気飲みします。ちまちま飲んでいると、2杯目をつぎにくるウェイターに惜しげなく捨てられますので、グイっと飲んでしまいましょう。
シデリア(Sidrería)での実際のパフォーマンスも、こちらでご覧ください。
カブラレスチーズ (Queso de Cabrales)
カブラレスチーズは、アストゥリアス地方特産のブルーチーズです。ブルーチーズ独特の強い塩味が特徴です。カブラレスチーズは、牛のミルク単体、もしくは羊と山羊のミルクを混ぜ合わせた2種類があります。
かなり風味は強いですが、チーズ好きなら試してほしい一品です。私もチーズは好きですが、どちらかといえばブリーチーズといったマイルドな風味が好きなので、お店で風味があまり強くないものを選んでもらって購入しました。それでも、風味は強めでしたが、ミルクの味がしっかり出ていてとても美味しかったです。
ボリュームたっぷりのスペイン風肉カツ カチョポ(Cachopo)
このスペイン風肉カツを見てください!肉汁が溢れています。一目で見てすごいボリュームであることがわかりますよね。これは、Cachopo(カチョポ)というアストゥリアス地方名物のカツです。2枚の牛フィレの間に、チーズとハムが挟まれています。
見た目だけではなく、食べてみてもかなりボリュームがあるのですが、牛とチーズとハムのハーモニーが絶妙のこの一品。二人以上でシェアすれば、食べ過ぎることなく、美味しくいただけるはず。
【まとめ】アストゥリアス地方は自然と食が魅力的な地方です!
スペイン人の避暑地、アストゥリアス地方はいかがでしたでしょうか。初めてスペインに行く際には、なかなか選択肢には入りにくい場所ではあると思いますが、アストゥリアス地方を訪れるとスペインの魅力って歴史や文化だけではないことに気付かされます。
アストゥリアス地方で、雄大な自然を是非楽しんでください。
Information
カンガス・デ・オニスへの行き方
【ALSAバス】 マドリードから7時間35分 33.68ユーロ
コバドンガへの行き方
【ALSAバス】 カンガス・デ・オニスから 1.5ユーロ
*コバドンガ湖まで行く場合は、8ユーロ
詳しい情報はALSAバスHPを参照してください。
La Ruta del Caresへの行き方
【ALSAバス】
カンガス・デ・オニスからカインへ行き、ポンセボスからカンガス・デ・オニスへ戻る場合 12.45ユーロ
*他にも経路あり。詳しい情報は、ALSAバスHPを参照してください。