何事も始まりには終わりがあります。ドイツで新しい会社で働き始めたとしても、転職や契約終了などで退職を迎える人も少なくはないかと思われます。同じ退職といえども、日本とドイツで勝手が違うこともあるので、ドイツで退職する際の流れと手続きをまとめてみることにしました。
今回の情報は、実際体験したことから、自分で情報を調べて学んだことが基本です。状況や時期によって適用されることも変わってくると思うので、記事の内容は参考までにしてもらって、情報を実際にご自身でも確認していただければ幸いです!
それでは、まずは退職までの流れについて書いていきます〜。
ドイツで退職する流れ
新しい会社からオファーをもらった。契約の期間が切れそうで、更新もなさそう。そんな際には、ドイツの企業を退職することになります。退職の流れはこんな感じです。
退職届を提出する
自主退職の場合、退職届を提出します。退職届けを提出するタイミングですが、契約によって変わってきます。無期限雇用契約を結んでいる正社員なら、最大3ヶ月前までに退職の意思の通知が義務付けられています。最初の試用期間のうちは、基本的に通知期間は2週間です。
一方、期限付きの契約の場合、通知期間は変わってきます。私の場合、期限付きの契約で働いていた際は、1ヶ月の通知期間でした。通知期間については、契約書に書いてあるので、転職・退職を考えるようになったらまず確認しておきましょう!
退職届は、書面で提出するのが基本です。書面のテンプレートはこういったものがあります。
会社にもよりますが、退職の意思は直属の上司に伝えるのが普通です。通知期間が契約書で決まっていても、会社側から引きとめられることもしばしば。ここで条件を交渉して退職の時期を決めるのが良いかと思います。
退職届けが受理されて、退職日が決まったら、あとは退職の日を待つだけ。退職が決まっても、実際に退職するまではその会社の社員です。あなたが抜けた分の仕事は誰かが行うことになるので、引き継ぎをしっかり行っておくことが重要です。
一方、会社の方から解雇されるということもあります。そういった場合も、契約書に書かれた通知期日内に書面で通知がなされます。ドイツは日本より解雇は意外に多いです。アメリカほどではないですが・・。
退職の日を迎える
退職の日は、日本の会社を退職する人基本的に一緒かと思います。お世話になった同僚や上司に挨拶周りをします。大きな会社の場合、全員に挨拶して周れないので、メールで挨拶を送るのもアリです。
外部に顧客がいる仕事の場合、顧客にも退職の挨拶のメールを送ります。ここで自分の仕事を引き継ぎする担当者の連絡先をしっかり書いておくことが重要です。
日本では、退職する人がいると、お別れ飲み会をする場合が多いですが、ドイツでも同じような風習があります。私が知る限りだと、退職する人がバーベキューやバーでの飲み会を主催したりしていました。
退職の手続き
失業保険
企業で働いている場合、お給料から天引きで失業保険を払っています。過去12ヶ月失業保険の支払い実績がある場合、失業時に失業手当を受け取ることができます。失業手当として、働いていた時の給料の6割(子供がいる場合は約7割)が支給されるので、次の仕事が決まらないまま失業することになったとしても全くの無給にはなりません。しかし、ちゃんと手続きをする必要があります。
失業保険の手続きで一番重要なのが、「退職もしくは失業することが決まった時点で、労働局に登録をすること」です。法律では、3日以内に登録することと定められており、それを過ぎると、ペナルティーが課されもらえるはずの失業手当が少なくなったりするそう。就業時にしっかり納めた失業保険で賄われているのですから、ちゃんと手続きしてもらえる権利がある分はいただきましょう。
失業保険の手続きについては、いつも有益な情報を発信してくれるありがたいブログSettle in Berlinさんが詳しく紹介してくれています。「SIMPLE STEP BY STEP GUIDE TO UNEMPLOYMENT BENEFITS IN GERMANY」という記事をよーく読んでみてください!
健康保険
ドイツの会社で働く場合、法定健康保険に加入することが義務付けられています。ワーホリで使う旅行用保険では働けません。
会社を辞めるときに一番気になったのが、健康保険はどうすればいいの?でした。会社の人事に聞いたところ、私から特にアクションを起こさなくて良い、ということでした。それでも、心配になった私は健康している保険会社に連絡。こんな回答を得ました。
退職から次の会社での勤務開始の期間が1ヶ月未満の場合
健康保険会社への連絡は必要なし。新しい会社でも、そのまま健康保険が継続される。保険料の負担もなし。
退職から次の会社での勤務開始まで1ヶ月以上ある場合
独身の場合
保険料を支払う必要があります。負担額最低のプランで支払うことになります。大体100ユーロ代とのこと。
結婚していてパートナーが法定健康保険に加入している場合
パートナーの健康保険に家族として加入できます。パートナーの保険負担額も増えません。実質0ユーロということですね。保険会社にその旨を連絡する必要あり。
失業保険をもらっている場合
失業保険をもらっている間は、健康保険の支払いが免除されます。そのため、独身でも健康保険料を支払う必要がありません。
これは、私が加入している健康保険会社に聞いた情報なので、正確な情報は加入している保険会社に確認してみてくださいね。
年金
基本年金も給料から天引きされていますが、失業中は支払いません。新しい会社で働くことになったら、また給料から天引きされます。義務で支払う基本年金以外に、プライベートで年金に入っている場合は、別途支払いをどうするか確認が必要です。
まとめ
一言で「退職」といっても、転職先が決まっている場合と決まっていない場合、自己退職と会社都合退職と色々な状況が起こりえるかと思います。わからないことがある場合は、やはりプロに聞くのが一番です。会社の人事担当者や保険会社や労働局や、必要な場合はしっかり自分で連絡して情報を収集してください。
ではでは〜。
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