春よ来い。夏よ来い。
3月後半だというのに、まだ気温が10度を切るベルリン。灰色の空の日がまだ続いています。青い空とまぶしい太陽が待ち遠しい・・
鬱屈とした気持ちになるのを抑えるために、夏のポルトガルの風景を紹介するフォトエッセイを数回に分けてお送りしたいと思います。
聞くところによると、3月後半のスペインやポルトガルといった南欧では冬に終わりを告げ、うららかな春がやってきているようです。やはり天候の面からみると、南欧は最高の場所。きっと、今回のエッセイをみていただければ心からうなずけるはず。
今回は、ポルトガルのポルトを紹介します。ポルトは、人口180万人を要するポルトガル第二の都市です。その美しさから、1996年には街自体がユネスコの世界遺産に登録されています。
ポルトは青が映える美しい街でした。
なぜ、青なのか?
その理由は、のちほど。
さあ、青い空と美しい街並みが広がるポルトガル・ポルトへとご招待いたします!
ポルトを横断するように流れるドウロ川(Douro river)。ポルト周辺地域で生産される甘いワイン、ポルトワインのワイナリーが、沿岸に立ち並びます。
ドウロ川にかかる橋からは、ドウロ川とポルト市の旧市街一体を見渡すことができます。ドウロ川の深い青色が、ポルトガルの特徴である家の赤茶色の屋根たちを際立たせます。
橋を降り、旧市街へ向かいます。リベイラと呼ばれる旧市街一体こそ、世界遺産に登録されている「ポルト歴史地区」エリアの一部。切り立ったように立ち並ぶ所狭しと細長い家が、一体感のある風景を作り出しています。
それぞれが、 一見同じように見えるけれど、よくよくみるとそれぞれ違う窓の形を持ち、ベランダのフレームのデコレーションを持っています。ちょっとしたニュアンスの違いを見るのが楽しい。
市街地へ足を延ばすと、数々の教会が目に入ります。
ポルトガルの教会には、アズレージョ(azulejo)といわれる青色の壁画が施されている場合がほとんどです。そのおかげで、吸い込まれるような青色が美しい壁画を持つ教会が多数存在しています。
ヨーロッパでよく見かける大理石でできたゴシック様式の教会も迫力があって見ごたえがあるけれど、この上品で繊細な教会にはほっと溜息をつかさせられる美しさが内包しています。
また、ポルトには最も美しい駅にも選ばれたことがある駅があります。その駅とは、サン・ベント駅。駅構内の壁一面にアズレージョが施されているのです。駅構内の壁面には、ポルトガルの歴史的な場面がアズレージョで描かれています。
近くで見ても、
遠くから見ても、
違う美しさがあります。青一色で、これだけ繊細な絵を描きだせるのかと思わず見とれてしまいます。
青が映える街、ポルト。その理由がお分かりいただけたのではないでしょうか?ポルトは、青色と同様、吸い込まれるような魅力を持っています。
きっと、あなたもポルトを訪れればその美しさの虜になってしまうはず。