子供をいつ産むか?どこで産むか?
私は20代前半からずっと考えていました。20代後半にさしかかったころから、「どの国で産むか?」が加わりました。なぜなら、働き続けたい私にとって、日本で育児するイメージがつかなくなったから。
数日前、保育園に入れなかったニュースが世間を賑わせていました。
働きたくても、働かせてもらえない国で子供産んで育てられるのでしょうか。
まだ、仕事を頑張りたい時期なので今すぐ出産は考えていません。でも、今後の育児を考えつつ、どこに住むかどんな仕事をしていくかについては今取り組んでいるところ。現在滞在中のドイツは、よっぽど育児がしやすいのではないかと思います。なぜなら、育児休暇制度がしっかりと整っており、父親の育児休暇消化率も高いから。
今回は、ドイツの育児制度を紹介しつつ、育児について考えていきたいと思います。これから子育てを考える人だけではなく、今の日本の制度がおかしいなあと思っている人に読んでいただきたいです。
ドイツの出産・育児休業制度について
日本と同様、少子化・高齢化が進むドイツ。実際のところ、出生率は2013年時点で1.38でした。これは、日本の1・43よりも低い数字です。(参照:wordbank)でも、その状況に危機を感じた政府は、子育てがしやすい環境を整えています。例えば・・
雇用保証(Kündigungsschutz)
企業は、労働者が妊娠した場合、3年間雇用を保持する義務があります。特例を除き、企業は妊娠した労働者を解雇することができません。3年間雇用が保証されるのは大きいです。
産前・産後休業(Muttershutz)
母親は、6週間の産前休暇、8週間の産後休暇を取得できます。産前・産後休暇中は、収入の同額が雇用者から保証されます。(Muttershaftsgeld )
日本の場合も、6週間の産前休暇、8週間の産後休暇が認められていますが、会社にもよりますが基本的に無給です。その代わり、全国健康保険協会が出産一時金42万円を支給しています。
育児休業(Elternzeit)
ドイツでは、男女問わず労働者は、子供1人当たり最大3年間の育児休業を取得することができます。ちなみに、子供が8回目の誕生日迎えるまでの期間中いつでも取得して良いのだそうです。また、育児期間中は労働時間を減らし、パートタイム(30時間以内)として働くことも可能です。
日本の育児休業法では、原則1年(保育園が決まらなかった場合最大1年6ヶ月)であることを考えると、大分長く感じられます。
育児支援金(Elterngeld)
また、育児休暇中は、政府から育児支援金を受けとることができます。この育児支援金は、12ヶ月〜14ヶ月分支給され、所得の約64%が補填されます。14ヶ月は、両親でわけて使っても、片親が満期使っても良いそうです。
日本の場合、健康保険組合から「育児休業給付金」が支給されますが、その額は育児休暇開始日から3ヶ月は給料の約67%、3ヶ月以降は約50%だそうです。
児童手当(Kindergeld)
ドイツにも、日本と同様、政府が子ども手当を支給しています。子供手当の額は、子供の数によって変わりますが、毎月190ユーロから221ユーロです。これは、18歳まで(大学に進学する場合は、25歳まで)支給されます。太っ腹!
日本の2016年度児童手当は、0〜3歳児15000円、3歳〜小学校卒業まで10,000円(第3子以降15,000円)、中学生10,000円です。支給額も、支給期間も、ドイツの児童手当は手厚く感じられます。
ドイツで感じる父親の育児参加
上記で述べた育児休業ですが、もちろん男性も取得できますし、取得しています。ドイツでは男性の育児休業取得率は日本に比べて格段に高いです。こちらの記事によると、子育て中の男性1,000人中38%が満期で育児休業を取得し、80%が出産後2ヶ月の育児休業を取得したそうです。2ヶ月とはいえ、8割取得とはすごい!
確かに、平日の昼間、ベビーカーを押す同年代の男性の姿をよく見かけます。また、育児休業中の知り合い夫婦は、こう言っていました。
「夫婦で育児休業を取って、家族の時間をしっかり作りたいんだ。お互いフルタイム働き始めたら、長期で家族が一緒に過ごす時間をなかなか持てなくなるから。」
育児はひとりだけではできない。父親も一緒に育児休業を取ったり、育児に向き合える環境が特に素晴らしいなあと思います。
以上、ドイツにおける出産・育児休業制度でした。
どの国で産む?
妊娠しても、仕事を続けられる。男性も一緒に育児に参加しやすい。少しでも、こういった環境が日本でも整っていけば、子供を欲しいと思う人も、子供を育たられそうと思う人も増えると思うし、日本で子育てしたい!と思えるようにもなるのかな、と思います。
でも、それが難しいのであれば、いつ産む、どこで産む、と考えると同時に、もし、日本で産むことがイメージできないのであれば、産むことができそうな国を考えてみても良いのかもしれない。
どの国で子供、産みますか?
(参考)Parental allowance and parental leave/Federal Office for Migration and Refugees
Sergej says
What a sweet baby!
Ayumi Saito says
Yes, she is! 🙂