ワーホリビザを利用しながら、ベルリンで海外就職を目指して就職活動をして2ヶ月が経とうとしています。私はすでに日本で4年働いており、希望としては今までの経験が活かせる同等のポジションで就職をしたいと思っています。
でも、実際は応募できるポジションが限られており(正確に言うと、求人は多くあるのですが、ドイツ語なし、外国人応募可能な求人は限られています。)そこで、社会人経験がありながら海外就職を果たすためのひとつの手段にインターンシップが挙がります。
今回は、私と同じようにすでに仕事の経験がありながら海外就職をする際にインターンシップをどのように取り入れるべきかを考えてみたいと思います。
インターンシップとは?
日本でも、就職活動前のインターンシップで就労するという流れになってきましたが、ドイツでもインターンシップで仕事の経験を積んで就職をするのが一般的です。wikipediaによると、そもそもインターンシップとは
インターンシップ(英: Internship)とは、特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと。 商人・職人のための徒弟制度と似ているが、標準化や監査などはされていないため、指すところの内容は様々である。
となっており、インターンには明確な定義が設けられていないため、インターンと一言いえどもさまざまなタイプがあります。
ベルリンのインターン事情
ベルリンのスタートアップの求人を見ていると、インターンシップの募集を多く見かけます。スタートアップ企業の求人サイトBerlin Startup Jobsにも連日さまざまな企業がインターンの求人広告を出しています。
インターンシップは定義があいまいなこともあり、企業によっては学生のインターンだけを求めている場合もあれば、学生ではなくても社会人経験がない人を指している場合もあります。圧倒的にInternshipの求人が多く「Junior」ポジションという社会人経験1〜4年ほどのポジションが少ないため、ドイツで就職を試みるのであれば、学生以外も受け入れるインターンを視野にいれることが必要になってきます。
使い捨て?インターンの現状
私も就職活動を始めたばかりの頃は、Juniorポジションを中心に受けていましたが、もっと可能性を広げるため、インターンシップにも応募をし始めました。
先日、初めて、インターンシップで応募した企業の面接に行ってきました。そこで驚いたのが、インターンシップの条件です。その企業は、インターンシップ期間は3ヶ月のみ、給料は週40時間勤務で月給600ユーロ(79,200円 11月7日時点のレート132円)でした。ルームシェアでも住居費が400ユーロ(52,800円)するので、生活をやりくりするのは難しいです。これでは、ベルリンの最低賃金時給8.5ユーロ(1,122円)を大幅に下回っています。
ドイツ人の友人にこの状況のことを話すと、「インターンシップでも、最低賃金を守らないといけないはずだ!」とドイツの法律を調べてくれました。すると、「インターンシップ期間が3ヶ月未満の場合は、企業側が雇用条件を決められる。3ヶ月以上のインターンシップの場合から、最低賃金が適用される。」ということが判明しました。そのため、多くの企業がインターンシップを3ヶ月限定で受け入れている現状があるようです。
私が受けた企業では、3ヶ月のインターンシップ以降の契約更新は一切ないと断言されました。「他の人にチャンスを与えるため。」とうまく誤魔化されましたが、この企業はJuniorポジジョンの採用を行っておらず、すべての業務をインターンシップの人と、中途採用のSeniorポジション(経験5〜6年以上)で賄っているそうです。インターンシップは使い捨てなのです。
もちろんこのような企業だけではなく、インターンシップを正規雇用の使用期間のように用いている企業もたくさんありますし、それでチャンスをゲットした人もいるので、一概には言い切れません。気をつけたいのは、たくさんあるインターンシップの中で、見極める必要があるということです。
最後に
既に社会人経験のある人にとって、インターンシップをするということはキャリアダウンといえるかもしれません。それでも、インターンシップから新しいチャンスが広がれば、キャリアアップにつなげることもできます。
インターンシップの求人は、海外就職を試みる人にとっては応募機会を広げてくれるものでありますが、よくよく考えないと、ただの使い捨てになってしまったり、ただキャリアダウンになってしまいかねないということは心に止めておいた方がいいです。
私も、インターンシップの選択を完全に捨てたわけではないですが、闇雲に応募するのではなく、自分のキャリアにプラスになるものだけを選択して選ぶようにしています。
けい says
あゆみさん、
こんにちは。ベルリン在住のけいです。FBに共通の友人がおり、
秘かにブログを楽しく読ませて頂いております。
ドイツのインターンについて、日本で既に職歴をお持ちの方にとって、
場合によってはキャリアダウンになる可能性がある点、共感します。
しかし一方、今までのキャリアがあっても、ドイツで職歴がなく、これから探す人にとっては避けて通れない道とも思っております。
日本でどんなに大企業や名の知れた企業に勤めていたとしても、ドイツでの職歴がなければ、
現地ドイツ企業(スタートアップもしかり)へいきなりJuniorポジションで入るのは難しいかもしれません。
ましてやEUではなく、極東の国・日本から行く場合はなおさらと思います(ご存じと思いますが、ヨーロッパの人はアジアに対する知識が少ない人もざらです)。
こちらに来て知ったのですが、ドイツの人は高校生の時から正社員で就職するまで、国内外問わずいろいろなインターンを体験している人が多いそうです。
沢山の経験をしてやりたいこと、努めたい企業と見つけられるのは羨ましい限りです。
スタートアップ企業など、年齢で採用フィルターをかけない会社ほど、今までの経験が重要になってきます。もちろん賃金は重要事項ですので、どんなことであれ、まずインターンから始めて、ドイツでの職歴を積むのも手と思います。
Ayumi Saito says
けいさん、コメントありがとうございます。そうですね、実際にベルリンに住み始めて、アジアに行ったことがある、好きの人を除くと、やはりアジアは遠い地域としての認識があると感じます。大体スタートアップもまずはヨーロッパマーケットからと考えているので、アジア人が入り込むのは至難とも感じます。それでも、インターンからチャンスを掴んでいく、というのもひとつの手段ですよね。私も、賃金云々だけではなく、その先を見据えて就業できる場所を見つけられたらな、と思います。
ベルリン在住の方の意見が聞けて嬉しいです。またご意見聞かせてください^^