国って何だろう? と最近よく考えます。ベルリンに住んでいると、本当に驚くほど外国人(いわゆるドイツ国籍人以外)の人が多いのです。自分も含めて。私の勤務先では、勤務者の半分以上の出身国はドイツ国外です。ヨーロッパ諸国を筆頭に、カナダやアメリカ合衆国の人が働いています。
ここに住んでいると、国を超えた移動がもっと当たり前になっていく、そんな可能性をひしひしと感じます。
例えば、ベルリンに住んで6年になるイタリア人の友人がいます。彼女は、イタリアで生まれ育った生粋のイタリア人ですが、イタリアで過ごした大学時代に留学制度を利用してベルリンに留学に来て以来、ベルリンに住んでいるそうです。好きな都市に住みたいから、ここに住むことにした。そんな流れです。
また、ベルリンでエンジニアとして働くインド人の友人も、インドで大学に行き数年働いた後にドイツへ大学院留学でやって来ました。その後ここで就職先を見つけて働いています。彼はブルーカード(EUの高資格外国人労働者新指令に従い、EU加盟国から発給される滞在許可証のこと)を持っているので、約2年半ドイツで働くと、無期限滞在許可がもらえるそうです。「インドは母国として大切な国だけれど、自分はもっと自由なところで暮らしたかった。だから、ドイツに来た。」と言っていました。
こういった友人たちを見ていると、住むところは自由に決めて良いんだよなあとつくづく思います。生まれたところにずっと住まなくてはいけないという決まりはありません。日本人に生まれたから日本にずっと住まなくてはいけないという決まりもありません。
まだまだ現時点では、国をまたいだ移動にはそれなりの準備が必要です。でも、近いうちには、東京から京都に引っ越すような感覚で、東京からロンドンに引っ越したり、ニューヨークで暮らし始めるということも可能になるのではないかと思います。出身国=居住国という図式はどんどん薄れていき、住む国を選ぶ時代がすぐそこにきている気がします。
好きな都市に住む方法3つ!
さて、でも現時点では国を超えた移動はまだまだ大変です。好きな都市があっても滞在許可が得られなければ住むことができません。そこで、滞在許可を得て好きな国・都市に方法を簡単に考えてみました。
1)現地の大学に行く
一番手っ取り早いのが現地の大学・大学院に行くことです。学業目的の場合は、滞在許可が下りやすいようです。ドイツや北欧では、大学の費用が格安(ドイツの場合は無料)に設定されています。一度就職をしてから学業に戻るという人も多いので若くなくてはいけないという必要もありません。
また、シンガポールでは、政府が留学生にも奨学金を出しています。卒業後数年はシンガポールにて働かなくてはいけないという条件付だそうですが、それでも魅力的な制度です。
2)現地企業で働く
次に考えられるのが、現地企業で働くという方法。国にもよりますが、現地人の雇用が第一なので、外国人が就労するのは難しい場合もあります。それでも仕事を得ることができれば、滞在許可を得ることができます。日本で仕事をしてから、海外で仕事を探すのだって不可能じゃありません。私は、日本での就業経験を活かしてヨーロッパで仕事のオファーを得ることができました。
3)起業する
起業するというのもひとつの手段です。スペインには起業家ビザというものがあります。スペインのように、現地の失業率が高く現地企業から仕事を得るのが難しい場合はこういった手段を考えてみるのも一手です。スペイン・マドリードに住む友人は、今起業家ビザ取得を目指して動いています。(詳しくは、MyThirdPlaceさんのインタビュー記事を御覧ください。 → 「スペイン語を使って何をしていくのかどうなりたいのか。」スペインでの起業に向けて働く市川典子さん【前編】)
また、イギリスもビザの発給が厳しい国のひとつです。滞在許可がない人が現地企業で仕事を得るのはほぼ不可能だそうです。しかし、大卒以上の人は起業家ビザ(Tier 1 (Graduate Entrepreneur) visa)を申請することができ、1年の滞在許可を得ることができます。(更新可能) 起業するというのはなかなか難しいことでもありますが、ひとつの手段であるのには間違いありません。
他にも、「駐在で海外赴任する」や「国際結婚する」といった方法もありますが、これらは本人の意向だけでは決められないという難点があります。駐在で好きな国に行けたり、結婚して好きな国に住めるようになるのも素晴らしいことだと思いますが。自分で道を切り開きたい、そんな方は上記の3点を検討してみてください。
「ここに住まなくちゃいけない」ではなく、「こんなところに住みたい!」と見方を変えてみると、世界が違って見えてきますよ〜!世界には、まだまだ魅力的な都市があります。私自身、次はどこに住もうか計画を練っているところです。(と言っておきながら、日本に帰るかもしれないですが・・)
ではでは〜