妊娠中、つわりで何もできないとき、臨月で体が重いときは、ここぞとばかりに時間を読書に当てるようにしていました。知識につながる実用書だけではなく、エッセイや小説を読んで、色々と感じたり考えさせられたものです。
今回は、実際に読んだ本の中から、妊婦さんやこれから両親になる方におすすめしたいと思える本をまとめてみます。
実用書
ここでは、5冊の育児関連実用書を紹介します。
大丈夫やで ばあちゃん助産師のお産と育児の話
4000を超える赤ちゃんを取り上げてきた80代現役助産婦さんが書いた本。他の育児本に比べると、平易な文章で語りかけるようにかかれているので、1時間くらいでさらっと読めちゃいます。
妊婦さんは誰もが出産が不安だと思いますが、「出産は赤ちゃんが主役。赤ちゃんが生まれたいときに産まれてくる。」という言葉に心が和らぎました。知識として読むよりは、出産への心構えとして読むのが良いかと思います。
Dr. Jack Newman’s Guide to Breastfeeding
母乳育児をする同僚から勧められて読み始めた本。少々行き過ぎと感じられるくらいに粉ミルク否定・母乳育児推奨されていますが、母乳がどれだけ赤ちゃんの成長にとって有益なのかを学ぶことができます。
母乳に関するトラブルも網羅されているので、母乳育児のバイブルとして手元に置いておくと良さそう。
私は、英語版で読みましたが、日本語版も出ているようです。
小児科医の僕が伝えたい最高の子育て
遺伝子に基づいた子育て方法を平易な文章で綴った本著。著者の人柄が表れている語りかけるような文章で読みやすいです。
親になるとどうしても自分の子供は特別ではないか、と過度な期待をかけてしまいそうになりますが、それぞれの子供が持つ長所を引き延ばす子育てができたらと思わせてくれた本。
本に書かれている内容全部に納得できたわけではないですが、取り入れたい部分は多くありました。
Brain Rules for Baby
脳科学のエビデエンスに基づき、正しく脳を発達させるために必要なことがぎゅっとまとめてある本著。妊娠中のこと、パートナーとの関係性のこと、等様々なシーンでできることが書かれているのでとても勉強になりました。
世界で100万部超売れているベストセラーというのも頷けます。私は英語で読みましたが、日本語版も発売開始になったので、こちらも合わせて紹介しておきますね。
The Whole-Brain Child: 12 Revolutionary Strategies to Nurture Your Child’s Developing Mind
こちらは、脳科学と心理学の両面から、子供のしつけについて書かれた本です。様々なシチュエーションで、どのような対応をすれば良いのかが詳しく書かれているので、イメージがつきやすいかと思います。
しつけの本なので、妊娠中については書かれていませんが、子供が生まれる前から、子供との付き合い方を考える上で参考になる部分がたくさんありました。
こちらも英語で読みましたが、日本語版も出ています。
エッセイ
ここでは、2冊のエッセイを紹介しますね。
ぼくが子どものころ、欲しかった親になる
ガンで余命宣告を受けた35歳の父が、2歳の息子へ送るメッセージをまとめた本です。インターネットで勧められているのをみて、購入して読んでみました。
語りかけ形式で書いてあるので、さらりと読めるかと。読後時間がたった今振り返ってみると、書いてあることで特に印象に残ったことはないのですが、読みながら、自分だったら自分の子供にどんなメッセージを送るだろうと考えながら読んでいたのを覚えています。
つまり、この本は親として子供に何を伝えたいのかを考えるきっかけになったわけです。人によって感じるところは違うと思うので、参考までにおすすめ図書として記載しておきます。
きみは赤ちゃん
芥川賞作家川上未映子さんが書いた出産・育児エッセイ。川上さんが感じたことが赤裸々に書かれており、妊婦として共感できる部分が多かったです。
文中で川上さんが、障害を持って生まれた赤ちゃんがかわいそう、生まなければ良かったのにという社会の風潮に対して、「全ての赤ちゃんは親のエゴで生まれてくるのだから、他人が口を出すことではない」と書いていた部分にはハッとさせられました。生まれてくる命に対して自分が負う責任を見つめる良い機会になったと思います。
妊娠前に読めば、妊娠から出産育児にかけての流れや感情を追体験できるでしょうし、妊娠中に読めば、共感できる部分が多々あるでしょう。
小説
育児や家族に関する2冊の小説を紹介します。
朝が来る
不妊治療を経て、特別養子縁組で子供を迎えた夫婦と、中学生で妊娠し子供を手放さざるを得なかった母のふたつのストーリーからなる小説。妊娠中の方や子育て中の方には、感じるものが大きい題材ではないかと思います。
とんび
愛妻を亡くした父が、愛する息子を不器用ながらに育てていく話です。学がない父から、鷹が生まれたという設定のため題名が「とんび」。
直接出産・育児に関連する本というわけではないですが、「家族とは」「親子とは」を考えるには、最適の小説かと思います。涙なしには読めません。
そのため、多くの人がレビューで書いてますが、公共の場ではなく自宅で読むことをおすすめします。
ドラマ版では、父役内野聖陽さん、息子役佐藤健さんが演じています。ドラマはまだ鑑賞できてないのですが、こちらも涙モノとか。
福山雅治さんが歌う主題歌「誕生日には真白な百合を」にも心揺さぶられます。
終わりに
私はパートナーが外国人なので、情報共有のためにも、実用書はできるだけ英語で購入しお互いが読むようにしていました。
今回この記事を書くにあたって振り返ってみると、英語で読んだ本の方が、エビデンスに基づいており、参考になった気がします。(翻訳本もあるようですが、レビューの中には翻訳がよくなかったという声が見受けられたので、英語に抵抗がなければ英語で読んだ方が良さそうです。)
良いと思った育児本は、パートナーにも読んでもらえば、知識を共有できるので良いですよ。
また、妊娠してから読んだ家族に関する小説(「朝が来る」や「とんび」)は、妊娠前では感じられなかった感情の変化を感じられました。なので、出産前に育児本だけではなく、小説を読むのもおすすめしたいです。
ではではー。