皆さん、ベルギーの小便小僧を知っていますか?ベルギー首都ブリュッセルの観光名所となっており、世界的にも有名です。実は、スペイン・バルセロナには、小便小僧に匹敵するマスコットがいるのです。
その名もカガネー(Caganer)。見て聞いてびっくり。この人形は、「排便人形」なのです!!スペイン語で、「カガル」とは、「排便する」という意味。この人形は、しゃがんでうんこをしている姿を模した人形です。
バルセロナのマスコットとして、お土産としても人気の高いカガネー人形。なぜ、カガネー人形が人気になったのか?そもそも、何故排便中なのか?不思議でいっぱいですよね。今回は、その不思議を解き明かしていきます〜。
バルセロナのカガネー人形
スペインでは、クリスマスの時期にBelen(ベレン)と呼ばれる、イエス・キリストの生誕の表す場面を飾る風習があります。カガネー人形もまた、その風習の一環で、イエス・キリストの生誕を表す人形としてカタルーニャ地方で主に飾られてきました。
え、でも、なぜ排便をする人形なの?
疑問はつきませんよね。なぜ、排便中の人形なのか。それは、大便には、「豊穣」や「希望」という意味があると考えられているから。排便という行為は、大便に含まれる栄養素が、土に還り、その栄養素を元に植物が育ち、人間が植物の恩恵を受けて生きる。という循環を表しているとされています。
名前だけ聞くと不思議に聞こえますか、その背景がわかると、すごく高尚な行為だと思えてきますね。
有名人もカガネー人形に?!
このカガネル人形が人気なのは、政治家やスポーツ選手といった有名人を模したカガネル人形が多々制作されているからです。例えば、ドイツのメルケル首相や、アメリカのオバマ大統領。今年の大統領戦で次期大統領として選ばれたトランプ次期大統領のカガネル人形も早速作られていましたよ。
ドラえもんや、スパイダーマンといったキャラクターものも勢ぞろい。様々なカガネル人形がいます。お土産としても大人気。バルセロナ旅行の際には、ひとつ購入してみてはいかが?ちなみにオンラインでも購入できます。
もうひとつのクリスマス人形 カガ・ティオ(Caga tió)
この可愛い丸太の人形も、またカタルーニャ地方独特のクリスマスの人形です。その名も、カガ・ティオ(Caga tió)。先ほど紹介したように、スペイン語でカガル(cagar)には、「排便する」という意味があります。可愛い顔した丸太の人形カガ・ティオもまた排便に関連した背景を持っています。
カガ・ティオは、丸太で出来ています。クリスマスの前に、親はお菓子やフルーツをカガ・ティオの下に隠し、布をかぶせておきます。クリスマス丸太の下にフルーツやお菓子を置くようになっています。子供達は、歌を歌いながら、丸太を叩くと、カガ・ティオの下にあるお菓子をもらえるのです。
結構シュールな風習ですが、カタルーニャ地方では幅広く行われているようです。バルセロナのクリスマスマーケットには、この愛らしい顔をしたカガ・ティオ人形がたくさん販売されていました。文化の違いって、面白いですねえ。
ではでは。