現在、私はベルリンのスタートアップで働いています。
スタートアップとは、
「全く新しいビジネスモデルを開発し、短期間で急激な成長を遂げてイグジット(株式上場や株式売却)を狙う人々の一時的な集合体」 と定義されているようです
ベンチャー企業や中小企業と何が違うのか、詳しくは、「ベンチャー企業とスタートアップの違い」の説明が詳しいです。
実際私の会社は2008年に創業、現在は既に社員200名まで拡大しており、純粋に’スタートアップ’といえるかは定かではないのですが。とはいえ、会社の創始者チームが今も実際に経営をしており、「チーム」感が感じられる会社であることは間違いありません。
最近ベルリンのスタートアップで働くってどんな感じ?という問い合わせが増えてきたので、働き始めて3ヶ月経って感じていることをまとめていこうと思います。
1)意思決定が「超」早い
私がここ数ヶ月で驚いているのが、「意思決定の早さ」です。定期的に行われていたミーティングも、「これ、やっぱり必要じゃないんじゃ?」という結論に達し、そのミーティングはすぐに無くなります。日本で4年働き、ミーティングは無駄なものが多いけれど、なかなか減らせないし無くならないものだという考え方があった私は、その意思決定の早さにはさすがに驚きました。
他にも、業務を改善するのに良いアイディアがあればすぐに社内で共有をし、それが適用されます。
不要だと判断したものは、すぐにカットし、また改善できるものは改善していく、というスタンスです。
やはりスタートアップだけにスピードが命ですね。
一方、日本のクライアントに電話するとき、大きな会社であればあるほど、担当者がミーティングで席外しのことが本当に多い・・。「本当にそのミーティングやる必要あるの?」とよく思っています。部外者なのに(笑)
「本当にこれをやる必要があるのか?」と考えるのは大事なことではないでしょうか。
2)会社自体がチームという感覚がある
私の会社では、創業者(ファウンダー)が毎月全社員を集めてプレゼンをします。ここで、会社の業績、目指す方向がシェアされます。
このプレゼンの会は、一方的に彼らが話すだけではなく、社員がガンガン質問をする場でもあります。ありとあらゆる質問が社員から投げかけられ、経営陣も全てに全力で答える。この会社で働く人が一丸となってサービスを作っていく、そんな土壌がここから生まれていると思います。
3)モチベーションが高い
これは完全に私の肌感覚ですが、今の職場、楽しそうに働いている人が多いのです。もちろん、皆金曜日になると嬉しそうにするし、月曜日は寝不足でテンションが低めな人が多いですが。それでもイヤイヤと働いている感じはしないですね。
実際、スタートアップの給料は、大企業に比べると水準は低めなのが一般的。スタートアップで働くからには、それなりに「お金」以外の何かに価値を見出している人が多いのです。「経験」である人もいれば、「働く人」である人もいます。それが、モチベーションの高さにつながっているのでしょうね。
楽しそうに働いている人と働いていると、つくづく仕事の目的はお金だけじゃないんだな〜と思います。もちろん、給料もお金も大事ですけど。
4)国際的な職場で学べることが多い
ベルリンのスタートアップでは多くの外国人が働いています。実際に、私の会社もドイツ人の割合は半分程度。
私のチームには、ニュージーランドで育ったイラク出身の人、ブラジル人とドイツ人のハーフの人や、ポルトガルで会社を経営しつつもベルリンに住みたいからとベルリンに来ちゃった人まで、様々な人が働いています。社内では、英語、ドイツ語や他のヨーロッパ言語が飛び交う日々。
私が、今の会社で働けてよかったなと思うのも、この点が一番大きいかも。日本で働いていた会社は外資系でしたが、オフィスには日本人ばかりだったので。
やはり国や文化が違うと、考え方もまったく違う。それゆえに、様々なバックグラウンドを持つ人と働くと、自分では思いつかなかった考え方や働き方があることに気づけます。
もしスタートアップで働いてみたいと思ったら
スタートアップで働くってどんな感じか伝わりましたか。スタートアップとはいえ、それぞれ企業によってカルチャーは様々です。
もし、スタートアップで働きたいと思ったら、自分がその企業のカルチャーに合うかどうか、取り扱う商品やサービスが好きかを見極めた方が良いです。私もベルリンに来たばかりの頃に応募したスタートアップでは痛い目にあったので・・。(詳しくは、[note]海外の現地企業で仕事を得る方法【応募から英語面接まで】にて紹介しています。)
実際に、スタートアップもスモールビジネスであり中小企業。大企業に比べれば安定度は少なければ、福利厚生も多くを望めないかもしれません。(ドイツは法律上、日本よりも圧倒的に福利厚生は充実していますが。)
個人的には、スタートアップで働くには、本当に好きな会社・サービスだから働きたい、もしくは自分の経験として糧になるから働く、という考え方が一番だと思います。目的と合致すれば、学べることは多いはずですよ〜
ではでは。