スペインでのクリスマスのデコレーションにはツリー以上に大事なものがあるんです。
あっという間に12月も中盤に差し掛かろうとしています。マドリッドの中心街に繰り出すと、どこも人の山。どこも東京の渋谷の十字交差点のような人混みです。
本来はもっと閑散としているのに・・ それだけ、クリスマス前ということがけあって、人々は街へ繰り出し、クリスマスプレゼントを買うためにショッピングを楽しんだり友達や家族と外食を楽しむ人がたくさんいます。
スペインはカトリック教国なので、クリスマスはとても大事な行事なのです。街中には、ツリーやイルミネーションで飾られていますが、もうひとつクリスマスの時期にお目見えするもので欠かせないものがあります。それが、「ベレン(Belén)」です。
ベレンって何?
スペインでは、クリスマスの時期に、ミニチュアを使ってキリスト生誕のストーリーを表現したジオラマを飾るのです。ベレンとは、スペイン語でキリストが生まれたベツレヘムのことです。ジオラマの大きさは、家の中に飾る小規模なものから外に飾る大きなものまでサイズはさまざま。
クリスマスの時期には、スペイン各地の役場や広場に巨大なベレンが飾られます。また個人でも、自宅にベレンを飾ります。そして、ベレン用のフィギュアはクリスマスマーケットで購入するのだそうです。どうりでマドリッドのクリスマスマーケットでは、ほとんど食べ物が見つからなかったわけだ・・
これがベレンです!
スペイン人ハビと私は、マドリッド市役所に飾られている巨大ベレンを見に行ってきました。市役所の中庭にベレンが設置されているのですが、スペースに限りがあるので、入場制限が設けられているという人気っぷり。クリスマスの時期に、家族でベレンを見に行くのだそうです。ハビも子どもの頃は、毎年家族でベレンを見に来たと言っていました。
ベレンは四方から鑑賞できるようになっており、キリスト生誕のストーリーを追えるようになっています。ところどころに、キリスト生誕のストーリーで欠かせない場面が再現されています。私たちの後ろにいたお父さんが、子供達に熱心にストーリーを説明をしていました。ハビは全く説明してれなかったけど・・。
ベレンをぐるっと回ると、最後にキリスト生誕の場面に行き着きます。今にも動き出しそうなくらい精巧に作られていると思いませんか?私も思ったよりクオリティが高くて正直驚きました。
自宅版ベレン
スペイン人夫宅にも、母特製のベレンが登場しました。巨大ベレンとはまた違った味があります。
スペイン人母によると、スペイン人夫が生まれた時から、毎年クリスマスの時期にフィギュアを買い足し、ベレンの規模を拡大していったそうです。夫が成長した今や、壮大なベレンとなりました。
終わりに
商業的な日本のクリスマスと違い、スペインでは宗教的にクリスマスはとても重要な行事です。ベレンはそれを表す、スペインのクリスマスの時期に欠かせないデコレーションです。クリスマスの時期にスペインに来ることがあれば、ベレンを探してみてくださいね!